本来は財産分与の対象とならない夫経営の会社の資産も考慮した解決を得た事例
- cases1232
- 2025年03月13日更新

- 40代
- 女性
- 自営業
- 財産分与
- 会社の資産
- 婚姻費用
- 慰謝料
- 離婚
- ■配偶者の年齢・職業 50代代 [自営業]
- ■解決までの期間 10ヶ月
- 最終金額 400万円獲得
ご相談に至った経緯
相談者であるAさんとその夫Bさんは再婚同士でした。再婚と同時期にBさんが会社を設立(Bさんが全株式を保有)し、Bさんが代表取締役、Aさんが取締役に就任しました。
結婚から5年ほど経った頃、Bさんとその前妻の間の息子が会社の業務を手伝うようになり、自宅に同居するようにもなりました。
それからBさんのAさんに対する態度が悪化し、Aさんに離婚を求めてくるようになりました。
ご相談内容
Aさんは会社の業務が多忙でほとんど休みももらえず、Bさんの暴言等もあってうつ病を発症していました。Bさんは離婚を強く希望しており、Aさんが話し合おうとしても取り合わないため、Aさんも離婚はやむを得ないと考えていました。
Aさんは当事務所にいらっしゃる前に別の弁護士の法律相談を受けていましたが、夫婦ともに預金はほぼないと伝えたところ、弁護士から「もっていないお金はもらえませんね」と言われてしまったとのことでした。
また、Bさんが自宅を購入したのは婚前でしたが、まだ住宅ローンを支払っている状況でした。
Aさんの主たるご希望は、「退職金や慰謝料をもらいたい」「会社名義になっている車が2台あるが、いずれも夫婦がプライベートで使用しているものなので、うち1台を分与してもらいたい」という内容でした。
ベリーベストの対応とその結果
そのタイミングで当方はBさんに受任通知を送り、別居期間中の生活費の支払いを求めるべく、婚姻費用分担調停を申し立てました。
Bさんは標準算定表の金額の半額にも満たない婚姻費用しか支払えないと主張し、また、Aさんとある男性のLINEのやりとりを提出して不貞の主張をしていましたが、当方は毅然とした態度を示して標準算定表どおりの額で調停を成立させました。
また、予想どおりBさん側から離婚調停の申し立てがあり、財産分与の整理が並行して行われました。Bさんは細かい費用等についてさまざまな主張をし、Aさんが使用している会社名義の車をすぐに返還するよう求めてくるなどしていました。
当方からは、「自宅不動産については婚姻期間中の住宅ローン返済分についてAさんにも権利がある」「会社の資産は実質的にBさんの個人資産と変わらない」「会社名義となっている車の時価評価は中古車市場の相場どおりとすべきである」「車は実質的には夫婦共有財産であるため当然に返還しなければならないものではない」といった主張を行いました。
その結果、Aさんが400万円の解決金と120万円程度の時価の車1台を取得する条件で離婚調停が成立しました。
【解決のポイント】
婚姻費用に関しては、Aさんとある男性の恋愛関係を疑わせるようなLINEのやりとりが提出され、調停委員らもそれに関するBさんの主張に引っ張られたような態度を示していましたが、当方は恋愛関係も不貞関係も毅然と否定することで、標準算定表どおりの解決を得ました。
離婚給付に関しては、慰謝料を根拠付けるような有効な証拠はありませんでした。財産分与についても、名義上の夫婦共有財産はほとんどなく、大部分が会社の資産としてまとめられていましたが、残念ながら会社の株式はすべてBさんの特有財産でした。
したがって、本来であれば財産分与はほぼ得られない事案でしたが、会社の資産は実質的にはBさんの個人資産とみるべきであるといった主張を粘り強く行い、結果として当初のAさんの希望に沿う形の解決を得ました。
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