早く離婚したい! スムーズに離婚するために必要な準備と対策
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東京都保健医療局が公表している統計によると、令和4年に八王子市内で離婚した夫婦の件数は824件でした。
配偶者(夫・妻)との仲が険悪になり、一刻も早く離婚したいと考えている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、焦りは禁物です。離婚を急ぎ過ぎると、離婚後の生活に困ったり、トラブルが発生しやすくなったりします。弁護士のアドバイスを受けながら、できる限りスムーズに、かつ適正な条件での離婚成立を目指しましょう。
本記事では、できる限り早く離婚したいと考えている方に向けて、スムーズに離婚を成立させるための準備や注意点などを、ベリーベスト法律事務所 八王子オフィスの弁護士が解説します。
出典:「人口動態統計 令和4年」(東京都保健医療局)
1、早く離婚したい! 「今すぐ離婚」を実現するために必要な準備
配偶者とできる限り早く離婚するためには、事前に離婚成立までのイメージを明確に描き、トラブルを避けながら離婚協議を進めることが大切です。
具体的には、以下の準備と心構えによって早期の離婚成立を目指しましょう。
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(1)離婚後の生活のめどを立てる
離婚を目指すに当たって、離婚後の生活のめどを立てることは必要不可欠です。
どのような仕事をするのか、どこに住むのか、生活費は足りるのか、子どもの学校はどうなるのかなどを、できる限り明確にシミュレーションしましょう。実家の援助を期待できる場合は、前もってお願いしておくことも考えられます。 -
(2)協議離婚を目指す|弁護士への相談がおすすめ
早期に離婚を成立させるためには、協議離婚を目指すことが基本線となります。調停や訴訟に発展すると長期化しやすいので、できる限り協議離婚を目指しましょう。
離婚協議をする際には、事前に弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。離婚条件として何を取り決めるべきか、どのように離婚協議を進めればよいかなどについてアドバイスを受けられます。 -
(3)離婚条件の最低ラインを設定する
早期の離婚成立を目指す際にも、離婚条件の交渉にはある程度の備えをもって臨むべきです。
具体的には、以下のような離婚条件についての交渉が想定されます。離婚条件の種類 概要 財産分与 夫婦の共有財産をどのように分けるか 年金分割 婚姻期間中の厚生年金保険加入記録(≒将来の厚生年金)をどのように分けるか 慰謝料 離婚の原因を作った側が、相手の精神的損害の賠償金としていくら支払うか 婚姻費用 別居中の生活費をどのように分担するか 親権 子どもの親権者をどちらにするか 養育費 子どもの生活費や教育費などを、親権者でない側がいくら負担するか 面会交流 親権者でない側が、離婚後子どもとどのように面会するか
それぞれの離婚条件については、希望する水準のほか、最低ライン(=これ以上は譲れない水準)も定めておきましょう。
早期の離婚成立を目指すに当たっては、離婚条件についてそれなりの譲歩を求められる可能性が高いです。その際、最低ラインを定めておけば、あまりにも不利な条件を受け入れる事態を防げます。
そもそも、法的にどの程度の水準が妥当であるのか、ご自身では判断が難しいケースも多くあります。このような場合には、弁護士に相談いただければ、一般的な水準をお伝えでき、これを参考に譲歩できる最低ラインを検討することなども可能になります。 -
(4)離婚の意思の伝え方を考える
早期の離婚成立を目指すためには、相手の感情を逆なですることなく、円満な話し合いの中で離婚に同意してもらう必要があります。そのためには、離婚の意思を伝える段階から細心の注意を払うべきです。
離婚の意思をどのように伝えるのがよいかは、相手の性格などによって異なるので一概に言えません。これまでの関係性ややり取りなどを踏まえた上で、スムーズに離婚協議を始められるような伝え方をよく考えましょう。
2、離婚を焦り過ぎるのはよくない理由
できる限り早く離婚したいと考えている場合でも、離婚を焦り過ぎるのはよくありません。
あまりにも急いで離婚すると、以下のようなデメリットやリスクが生じてしまいます。
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(1)離婚条件について大幅な譲歩を強いられる
早く離婚したいと考えている側は、そうでない相手に比べて、離婚条件の交渉上不利になりやすいです。
相手から理不尽な離婚条件を提示されても、早く離婚したいという気持ちから受け入れてしまうことがあります。後から振り返って納得できない気持ちになっても、一度合意した離婚条件を覆すことは困難です。
有利な条件で離婚したい場合は、ある程度の時間をかける覚悟も必要になります。
離婚を急ぐ場合でも、前述のとおり各離婚条件の最低ラインを定めて、あまりにも不利な条件を受け入れることがないようにしましょう。 -
(2)生活費の見通しが甘く、困窮することがある
離婚後の生活に関するシミュレーションが不十分だと、生活費についての見通しが甘く、予想以上にお金が足りなくなってしまうケースがあります。
離婚後の生活費不足を防ぐためには、事前に具体的なシミュレーションを行うことが大切です。収支を洗い出して検討しましょう。
もし生活費が足りなくなりそうなら、離婚を急ぐ方針をやめて、財産分与・慰謝料・婚姻費用・養育費などについて粘り強く交渉する方針に切り替えることも考えられます。 -
(3)条件を決めずに離婚すると、後でトラブルになりやすい
離婚を急ぐ場合であっても、各種の離婚条件については、離婚届を提出する前にきちんと取り決めることをおすすめします。
決めるべき離婚条件を決めずに離婚すると、離婚成立後のトラブルが発生しやすいです。弁護士のサポートを受けながら、各離婚条件についてスムーズかつバランスよく交渉し、離婚協議書にまとめておきましょう。
お問い合わせください。
3、早く離婚することはできない可能性が高いケース
早く離婚したいと考えていても、すべてのケースにおいて早期の離婚が可能とは限りません。
特に以下のようなケースでは、早く離婚することはできない可能性が高いです。弁護士のサポートを受けながら、粘り強く離婚手続きを進めましょう。
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(1)配偶者が離婚を拒否している場合
配偶者が離婚を拒否している場合には、早期の離婚成立は期待できません。
離婚を拒否する配偶者を説得するためには、その理由に関する真意を探った上で、各種の離婚条件について譲歩を提案するなどの対応が必要になります。
離婚協議がどのような展開になっても、ある程度長引くことは避けられないでしょう。
配偶者が離婚拒否の姿勢をかたくなに維持する場合は、離婚調停・離婚訴訟を利用する必要が出てきます。特に離婚訴訟に発展すると、1年以上にわたって争うケースも多く、早期の離婚成立は難しくなります。
離婚を拒否する配偶者と離婚したいときは、弁護士に依頼した上で、腰を据えて離婚手続きに取り組みましょう。 -
(2)複数の離婚条件について揉めている場合
配偶者との間で、財産分与や養育費、親権など、複数の離婚条件について揉めている場合は、そのすべてについて合意を得なければ離婚自体に合意が得られないことが多くあります(少なくとも親権は必ず合意が必要です。)。
その分、離婚協議も長引いてしまうでしょう。離婚協議がまとまらず、離婚調停や離婚訴訟に発展するケースも少なくありません。
複数の離婚条件に関する交渉をまとめるためには、譲歩を検討する姿勢も含めた総合的な視点が重要になります。各離婚条件について優先順位を付けて、譲歩できるところは譲歩し、早期の離婚成立を目指しましょう。
離婚協議へ臨む際の考え方や注意点については、弁護士に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。
4、離婚手続きをスムーズに進めたいなら弁護士に相談を
早期に離婚を成立させるためには、離婚協議の進め方について弁護士に相談しましょう。
離婚トラブルの解決実績がある弁護士に相談すれば、離婚手続きをスムーズに進めるためのアドバイスを受けられます。また、各種の離婚条件の適正な水準についても知ることができます。
離婚協議・離婚調停・離婚訴訟などについても、弁護士に依頼すれば、それぞれの状況に応じて適した離婚手続きを任せることができ、労力や精神的負担が大幅に軽減されるでしょう。
配偶者と早く離婚したいと考えている方は、お早めに弁護士へご相談ください。
5、まとめ
配偶者と早く離婚したいと思っても、離婚を焦るあまり、離婚後の生活に支障が出たり、トラブルになったりしては本末転倒です。弁護士のアドバイスを受けて、トラブルなくスムーズに離婚を成立させるための準備を整えましょう。
ベリーベスト法律事務所は、離婚に関するご相談を随時受け付けております。協議離婚・調停離婚・裁判離婚の各種手続きを、離婚問題の実績を有する弁護士が全面的にサポートいたします。
何らかの事情で配偶者との離婚を急いでいる方も、勢いに任せて離婚へ突き進む前に、まずはベリーベスト法律事務所 八王子オフィスにご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています