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労災による負傷|あとから痛みが出たとき行うべきこと

2023年09月28日
  • 後遺障害
  • 労災
  • あとから痛み
労災による負傷|あとから痛みが出たとき行うべきこと

東京労働局が公表している労働災害の発生状況に関する統計資料によると、令和4年に八王子労働基準監督署管内で発生した労災件数は、670件でした。

仕事中の出来事が原因となってケガをした場合には、労働基準監督署による労災認定を受けることで、労災保険から補償を受けられます。しかし、事故当初は痛みがなかった部分についてあとから痛みが出てきた場合や、後遺症が生じてしまった場合には、別途に手続きが必要になります。

本コラムでは、労災による負傷であとから痛みが出てきた場合の手続きについて、ベリーベスト法律事務所 八王子オフィスの弁護士が解説します。

1、労災で保障される範囲

仕事中の出来事が原因となって生じた傷病に関しては、労災の申請が認められれば、労災保険から以下のような補償を受けることができます。

  1. (1)療養(補償)給付

    療養(補償)給付とは、ケガや病気の治療の際の費用を補償するものです。

    療養給付を利用して労災指定医療機関を受診すれば、無償で医療サービスを受けることができます。
    労災指定医療機関以外のでも治療を受けることもできますが、窓口での医療費を一旦は被災労働者が負担しなければなりません。
    後日申請することで医療費の還付を受けられますが、健康保険が使えませんので、窓口では10割負担の医療費の支払いが必要になります。

  2. (2)休業(補償)給付

    休業(補償)給付とは、労災によって働けなくなった労働者の賃金を補償するものです。

    労働者が労災により4日以上休業した場合において、4日目以降に休業給付を受け取ることができます
    その際の金額は、特別支給金も含めると、休業1日あたり給付基礎日額(※)の80%が支払われます。
    ※原則として労働基準法の平均賃金。平均賃金とは、原則として事故が発生した日(賃金締切日が定められているときは、その直前の賃金締切日)の直前3か月間にその労働者に対して支払われた金額の総額を、その期間の歴日数で割った、一日当たりの賃金額)

  3. (3)傷病(補償)年金

    傷病(補償)年金とは、労災によるケガや病気の治療開始から1年6か月経っても傷病が治癒せず、かつ傷病等級1級~3級の障害が残っている場合に支給される補償です。

    傷病年金が支払われる場合には、休業給付はストップして、傷病年金として給付基礎日額の245日~313日分の年金が支給されます。

  4. (4)障害(補償)給付

    障害(補償)給付とは、労災による傷病の治療を行っても完治せず、一定の障害が残ってしまった場合に受け取ることができる補償です。
    補償金額は、障害等級に基づいて以下のように決められています。

    • 障害等級1級~7級……給付基礎日額の313日~131日分の障害年金
    • 障害等級8級~14級……給付基礎日額の503日~56日分の障害一時金
  5. (5)遺族(補償)給付

    遺族(補償)給付とは、労災により労働者が死亡した場合に遺族の生活を補償するために支払われるものです。

    遺族給付の金額は遺族の人数によって変動し、労働者により生計を維持されていた人のうち最も優先順位の高い人が受取人になります。

  6. (6)葬祭料・葬祭給付

    葬祭料(葬祭給付)とは、労災により死亡した労働者の葬儀費用を補償するものです。
    葬祭を行った人に対し、以下のいずれかのうち高い方の金額が支給されます。

    • 31万5000円+給付基礎日額の30日分
    • 給付基礎日額の60日分
  7. (7)介護(補償)給付

    介護(補償)給付とは、労災により傷病年金を受給しており、かつ、現在介護を受けている場合に支給されるものです。

    給付金額は、障害の程度、介護状況、介護費用の支出額によって異なり、以下のような金額になります(令和5年4月1日以降の金額)。

    • 常時介護を要する場合……7万7890円~17万2550円
    • 随時介護を要する場合……3万8900円~8万6280円

2、あとから痛みが出たとき行うべきこと

以下では、労災によるケガであとから痛みが出てきた場合に受けられる補償や、必要な手続きについて解説します。

  1. (1)あとから痛みが出たときに申請できるお金

    労災によってケガをした場合には、労働基準監督署による労災認定を受けることで、ケガの治療のために必要となる治療費については療養給付を受けることができます。
    一方で、当初に痛みのあった部位とは別の部位にあとから痛みが出た場合には、どのタイミングで痛みが発症したかが重要になります

    労災事故から数日であれば療養(補償)給付の対象になる可能性がありますが、数週間や数か月後に初めて痛みが生じたという場合には、労災保険による補償の対象外になる可能性が高いといえます。
    労災から時間が経ってしまうと労災によるケガであるかどうかがわからず、因果関係が否定されてしまうためです。

    したがって、労災によって病院を受診する際には、痛みのある部分を正確に医師に伝えるとともに、あとから痛みが生じた場合には早めに病院を受診することが重要になります

  2. (2)必要な手続きと流れ

    あとから痛みが出た場合に療養給付を受け取るためには、以下のような手続きが必要になります。

    ① 労災指定医療機関を受診する場合
    ケガの治療のために労災指定医療機関を受診する場合には、医療機関の窓口で以下の書類を提出する必要があります。

    • 療養補償給付たる療養の給付請求書(様式5号:業務災害用)
    • 療養給付たる療養の給付請求書(様式16号の3:通勤災害用)


    上記の書類は、労災指定医療機関から労働基準監督署に提出されます。

    ② 労災指定医療機関以外を受診する場合
    ケガの治療のために労災指定医療機関以外を受診する場合には、病院の窓口で治療費の全額を一旦負担したうえで、後日、被災労働者が以下の書類を労働基準監督署に提出する必要があります。

    • 療養補償給付たる療養の費用請求書(様式7号:業務災害用)
    • 療養給付たる療養の費用請求書(様式16号の5:通勤災害用)


    また、上記の書類とともに、病院で支払った医療費の領収書も添付する必要があります。
    書類を提出した後は、必要な審査が完了した後に、被災労働者の指定口座に立替えて支払っていた医療費が支払われます。

3、後遺症となってしまった場合にすべきこと

以下では、労災により障害が残ってしまった場合に受けられる補償や、必要な手続きについて解説します。

  1. (1)障害が残ってしまったときに申請できるお金

    労災によるケガの内容や程度によっては、治療を継続したとしてもこれ以上改善が見込めない状態になることがあります。
    このような状態を「症状固定」といい、症状固定時点で何らかの症状が残っている場合には、障害(補償)給付の対象となります

    障害給付は、障害の程度に応じて第1級から第14級までの等級が定められており、どの等級が認定されるかによって補償内容が異なってきます。具体的には、
    障害等級が第1級~第7級だった場合には給付基礎日額の313日~131日分の年金が、障害等級第8級~第14級だった場合には給付基礎日額の503日~56日分の一時金が支給されます。

  2. (2)必要な手続きと流れ

    障害給付を受け取るためには、以下のような手続きが必要になります。

    ① 病院での症状固定の診断
    障害給付は、労災による傷病が治癒(症状固定)したと診断されなければ、支給を受けることができません。
    したがって、まずは医師から症状固定と診断されるまで病院での傷病の治療を続けましょう
    なお、症状固定と診断された場合には、障害給付請求用の診断書が必要になるため、主治医に作成を依頼してください。

    ② 労働基準監督署に申請書類の提出
    障害(補償)給付の申請にあたっては、以下の書類を労働基準監督署に提出する必要があります。

    • 障害補償給付支給請求書(様式10号:業務災害用)
    • 障害給付支給請求書(様式16号の7:通勤災害用)


    上記の請求書には事業主の証明も必要になりますので、会社に記入を依頼しましょう。

    ③ 労働基準監督署の審査
    申請書類の提出後、労働基準監督署では、障害の有無および程度の審査が行われます。
    その際には、被災労働者との面談が行われる場合があります。

    面談では、診断書などの書面だけでは十分に確認できない部分について質問がなされます。
    適切な等級認定を受けるためにも、ご自身の症状をしっかり伝えることが大切です

    ④ 支給・不支給の決定
    調査内容をふまえて、労働基準監督署による等級認定と障害給付の支給または不支給決定がなされます。
    内容に不服がある場合には、審査請求をすることも可能です

4、労働災害の原因が会社にあるときすべきこと

労災による傷病は、労災保険による補償を受けることができるため、ある程度の損害は回復することができます。
しかし、労災による補償だけでは、被災労働者が被ったすべての損害を回復することはできません
そのため、労災の原因が会社にあるという場合には、会社に損害賠償を請求することも検討する必要があります。

会社には、労働契約上の義務として、労働者が安全かつ健康に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)があります。
そのため、業務上使用する設備や道具などに不備があり、それが原因で労働者がケガをしたという場合には、安全配慮義務違反を理由として損害賠償を請求することができます。
また、会社に雇用されている労働者の行為により他の労働者にケガをさせた場合には、使用者責任による賠償義務が生じます(民法715条)。

上記のようなケースに該当するという方は、会社に対する損害賠償請求の可否について判断するため、まずは弁護士に相談することをオススメします。

5、まとめ

労災によるケガは、療養給付により、治療費などの補償を受けることができます。
しかし、あとから痛みが出てきたという場合には、労災によるケガとの因果関係が否定されるおそれもあります。
したがって、あとから痛みが出てきた場合には、早めに病院を受診することが大切です

労災によって生じた損害は、会社に対して賠償を請求できる可能性もありますの。
労災が原因で負ったケガや障害にお悩みの方は、まずはベリーベスト法律事務所 八王子オフィスにご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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